tender dragon Ⅲ
「ただいま。」
「おかえり、希龍くん」
何で芽衣も一緒なのかはよく分からないけど、きっと説明するのは面倒だと思うから聞かなかった。
「んー、会いたかった」
「んふふ、あたしも会いたかったけど、学校で毎日会ってるでしょ?」
「そうだけどー。」
横から抱きついてくる芽衣をそのままにして、制服をそっと床に置く。
希龍くんにまだ何も言ってない。
こんなの見られて気づかれないわけない…
「美波、それ何?」
ですよね。
春斗はあーあ、って顔であたしを見てるし、葉太は興味津々に制服を広げて見てる。
あたしに抱きついてた芽衣はというと、キラキラした目でその制服を見ていた。