tender dragon Ⅲ
「そっかそっか」
「何?」
「んー、美波は俺の知らないとこでそんなこと考えてたんだなーって思ってさ。」
だって、本人に聞くわけにいかないじゃない。
付き合えてるのも奇跡な気がするし…
「俺の態度は確かに変わってないけど」
立ち上がった希龍くんが、ソファに座ってるあたしをギュッと抱きしめた。
あたしの好きな甘い香りに包まれて、あぁ、好きだなぁ。なんて実感。
「付き合う前も付き合ってからも、俺にとって美波が一番大切なことに変わりないから。」
ずっと、あたしが大切?
付き合う前も?
「ずっと?」
「うん、ずっと。」
「これからも?」
「うん、これからも。」