tender dragon Ⅲ
言いたいことが言えて、聞きたいことも聞けて、愛されてることもちゃんと分かった。
ずっと大切にされてたことも。
これからもずっと、大切にしてくれることも。
「うん、分かった」
ちゃんと分かったよ。
「そ、よかった」
額をコツンとぶつけたあと、何か思い出したようにあたしの手を引いた。
「何?」
「葉太と春斗が来る前に着替えて」
「え?」
「こんな可愛いとこ見せるの嫌だから。」
あぁ、この制服ね。
「それと、バイトのときそのキスマーク見えないように気をつけてね」
なんて笑う希龍くん。
「…確信犯でしょ」
「あ、バレた?」