tender dragon Ⅲ
「ほら、着替えておいで」
「もー、誤魔化そうとして」
「またバレたかー」
子供っぽいのか大人っぽいのか分かんない。
まぁいいか。
どっちにしたって、希龍くんは希龍くんなんだから。変わりないよね。
部屋に戻って鏡の前に立つと、首筋のキスマークはボタンをキッチリ締めれば見えないし、太もものキスマークもスカートを最大限に伸ばせば見えない。
それをしても可愛いからいいんだけど。
希龍くんにも許してもらえたし、いいこと聞けたし、今日はいい日だな。
希龍くんは、あたしも、付き合う前も付き合ってからもあまり変わらないって言ってた。
確かに言う通りなのかもしれない。
だって、希龍くんと同じように、あたしだってずっと希龍くんのことが好きだったから。
ずっと、大切に思ってたから。
もちろん、これからも。
ずっとずっと、大切な人。
−END−