tender dragon Ⅲ
#5
「えっ、まだしてないの?」
「ちょっ、声大きいよっ」
学校終わりの安田さんの家には、あたしと芽衣と遼太くんと蒼空くんがいた。
何でこんな話になったのかは覚えてないけど、あたしの苦手な話であることに変わりはない。
「付き合って何ヶ月だっけ?」
蒼空くんまでこんな平然とした顔してるんだもん。
「えっと…、5ヶ月だけど」
次の記念日で半年。
そんな雰囲気になったことは何度かあるけど、その先にいったことは一度もない。
「5ヶ月って、すげぇな希龍さん。俺だったら絶対無理だけどなー」
「何で?あたし、てっきりもう済ませちゃってるんだと思ってたのに」
もう、このカップル何なの…
やっぱり、5ヶ月もキスから先がないってやばいことなのかな?
「まぁ、その辺は人それぞれだと思う……って言ってあげたいところなんだけどさ、男子高校生には酷なんじゃない?」
あ、蒼空くんまでそんなこと…