tender dragon Ⅲ
何だろう。
あたしと同い年なはずなのに、今は年上のお姉さんって感じ。
「芽衣可愛い。」
芽衣をジッと見つめて真顔で言う遼太くんは、ほんとに芽衣を溺愛してる。
ラブラブだもんな、このカップル。
「遼太うるさい。今そんな話じゃないでしょ。空気読んで。」
…あんな風に言われると、すぐこうやって照れ隠しするんだから。
「美波、焦ることないと思うけど、思ったことはちゃんと伝えた方がいい。希龍、美波のことになるとすげぇ慎重だから。」
蒼空くんに頭をポンッと撫でられて、こんな大人な発言されて。
ほんとにこの人年下?って思った。
「思ったこと……んー、難しいなぁ…何て言えばいいんだろ」
あれ、あたし何を希龍くんに伝えればいいんだっけ?
あたしの苦手な部類の話で……まだしてないから希龍くんが無理してるんじゃないかって。