tender dragon Ⅲ
そんなストレートな言葉を言えるなら、今こんな状況になってない。
そもそも、別にしたいわけじゃない。
いつか自然な流れでそうなればいいなって思ってるだけで、今すぐじゃなきゃダメってわけじゃないんだから。
「んなこと考えてんのお前だけだよ。」
「健全な男子高校生が何言ってんだよ。普通考えるだろ。」
やっぱりいつだって蒼空くんの方が大人っぽく見えてしまう。
だって実際、蒼空くんはあたしや芽衣よりも大人な気がするもんね。
「美波、もう遼太の言うことは聞かなくていいからね」
呆れ顔の芽衣がそう言ってあたしの耳を塞いだ時だった。
蒼空くんと遼太くんは何を話してるのかな、なんて思ってたけど、そんなのすぐにかき消されて。
玄関のドアが開いた。