tender dragon Ⅲ

「ただいまー。」

学ラン姿の葉太が入ってきて、それに続いて春斗と希龍くんも入ってくる。

寒かったんだなって見てすぐに分かるくらい春斗の鼻と頬は真っ赤で、冷たい手を必死に温めてた。

希龍くん寒いの苦手なのに…


「うわ、何でこんなに勢ぞろいなわけ?」

「ほんとっすね。」

春斗は入ってきてすぐにチビを抱き上げて、あたしたちに近づいてくる。


「すごい賑やかでしたね。何の話してたんですか?」

ニコニコ笑顔の春斗にそう言われて、返答に困った。

何の話してたかって……

「春斗」

「ん?何?」

気を利かせた蒼空くんが、芽衣の手を引いて立ち上がった。

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