tender dragon Ⅲ
「あはは、やっぱり。そんなことだろうと思った。」
何もかもお見通し。
「芽衣のとこはさ、あんまり芽衣がそういうことに照れないから進んでるだけ。まぁ長く付き合ってるってのもあるんだろうけど。」
確かに、今日話してる時も芽衣はあまり恥ずかしそうじゃなかった。
相手が、小さい時から一緒にいた遼太くんだからなのかもしれないけど。
「美波がこういうのが苦手だってことも、ものすごく照れ屋だってことも俺は知ってるから。」
「…あたし、そんなに照れ屋かな?」
「キスだけで顔真っ赤にするくらい照れ屋なのに、違うとは言えないよ」
クスッと笑う彼。
あんまり照れない希龍くんに対して、あたしは照れすぎだってくらい照れちゃうもんね。
「心の準備が出来るまで待つよ」
優しい彼は、きっとほんとにあたしがいいって言うまで何もしない。