tender dragon Ⅲ
「だから、焦らなくても大丈夫」
そんな言葉を聞いて、何だか心がすごく暖かくなった。
すごく、好き。
愛おしくて、触れたくて。
芽衣が言ってたのって、こういうことなのかなって思った。
相手を知りたいって思う。こんな気持ちなことを言ってたのかな。
「…あたしね、心の準備、できてるよ」
彼の手をギュッと握って、ちゃんと目を見て言えた。
少し恥ずかしいけど、それを上回るくらい彼が愛おしい。
「…美波、本気で言ってんの?」
あたしに向かい合うように座って、俯いた。髪の隙間から見える耳が赤い。
あれ、照れてるのかな?