tender dragon Ⅲ
「焦ってすることじゃないし、俺途中でやめれる自信ないよ?」
初めて見た、余裕がない瞳。
困ったように笑うから、胸がギュッと苦しくなった。
「…大丈夫だよ」
急に体がフワリと浮いたかと思えば、目の前に希龍くんの顔がある。
お姫様抱っこされてる、なんて考えてるうちに希龍くんは部屋のドアを開けて中に入って行く。
大事なものを扱うように優しくベッドの上に降ろされた。
「やば、緊張する…」
「希龍くんでも緊張するの?」
「美波俺のこと何だと思ってるの?」
なんて笑って言った後
「好きな子に触れるんだから、さすがに緊張するよ」
手をギュッと繋がれる。