tender dragon Ⅲ
確かにあたしだけ脱ぐのは恥ずかしいけど、希龍くんの裸を見るのも変わらないくらい恥ずかしい。
キュッと目を閉じると、それに気づいた希龍くんが瞼にキスをした。
「怖い?」
「…ううん、怖くない」
だって相手は希龍くんだもん。
首筋を伝う舌の感触に体が反応する。
チクリと走った痛みは、きっと赤い印がついた証。
肌が触れ合うのが心地いい。
寒いはずなのに、暖かくて。
自分の口から出てくるのは、普段聞かない甘ったるい声。
頭がクラクラした。
心臓も、キューッとなった。
そんな感覚を、なぜか好きだと思った。