tender dragon Ⅲ
綺麗な青空には真っ白な雲が浮いてて、太陽がキラキラ光ってる。
暑くも、寒くもない、ちょうどいい日。
だってほら、希龍くん散歩してるのに眠そうにあくびしてるんだもん。
「美波、今度散歩するときはさ、弁当作ってよ。」
「ピクニックするの?」
「んー、そうだね」
「んふふ、分かった。頑張って作る!」
次のデートの約束を当たり前みたいにできたことが嬉しくて、笑顔が自然と出てしまう。
そんなあたしを見て希龍くんは、ポンッと頭を撫でて手をギュッと繋いだ。
恋人繋ぎなんて、やっぱり何度しても心臓がキューッとなる。
「そんなに可愛い反応されると、もっと触れたくなるんだよね」
可愛い反応をした心当たりはないけど、希龍くんは振り返って立ち止まる。