夏休みのとある1日
「はぁ、おかげで緊張ほぐれた」
「あ、そうですか…」
それは良かったですね。
逆に私はまだちょっと緊張してますけど。
「あのさ、今度、花火大会あるでしょ?」
「うん」
「…一緒に行かない?」
「え、そういうのって、好きな人と行くものじゃないの?」
私なんかと行っていいものなのか……
それに、私より可愛い子とか連れてった方がいいんじゃ……
「…じゃあ、大丈夫だと思うけど」
そう言いながら、片桐くんはこっちに顔を向ける。
いや、だから好きな人って……
「え?」
私は思わず、顔を上げる。
「藤沢のこと、好きだから」
片桐くんは、そう言って優しく笑った。