夏休みのとある1日
「うわっ……」
昇降口で靴を履き替えようとしているとよろけてしまい、倒れそうになったところを片桐くんが受け止めてくれた。
「大丈夫?」
……!
ち、近いっ///
顔をあげると、片桐くんの顔が意外と近くにあったことに驚いて、目を大きく見開いて固まってしまった。
「藤沢?」
「あ、ごっごめん。大丈夫、ありがとう」
我に返った私は、すぐに片桐くんから離れた。
わぁ、すっごい恥ずかしい……
すると、片桐くんが自分の手を差し出した。
「………?」
この手はなんでしょう……
私は差し出された手を見た後、片桐くんを見た。
「掴まって靴履いたら?」
「…じゃあ」
片桐くんの言う通り、片桐くんの手に掴まりながら靴を履き替えた。