好きになったのは、一匹狼でした。
「こっちに用事があるとか」
「………」
無言ってことはこれは「違う」を意味していると察した。
ということは、もしかしてだけど。
「梶野くん、もしかして送ってくれようとしてるの?」
さっき、教室で梶野くんが見ていた紙を思い出したのだ。
この辺りは変質者が出るから注意するようにと言っていた場所。
「あたしなら、大丈夫だよ。誰も襲わないと思うし」
モモちゃんみたいに美人だったら危ないけど、あたしみたいなのは大丈夫だと思うんだ。