好きになったのは、一匹狼でした。



「………」



心配させないように笑顔で言ったのに、無言のまま睨まれてしまった。




「それに、まだ明るいし。大丈夫だよ」



そして、ずっと口を開かなかった梶野くんが。




「女じゃん。危ねーよ」



とだけ、言った。





きっと、女なんだから危ないって言ってくれたんだと思う。


そして、あたしの少し前を歩きだした。




優しいけど、その優しさを梶野くんはうまく表に出せない。


彼は本当に不器用な人。






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