好きになったのは、一匹狼でした。
「梶野くん!梶野くん、待って!」
どうしても伝えなくちゃと思って、どうしても伝えたくて。
遠ざかる彼の背中を、無我夢中で追いかけた。
「梶野くん!待って!」
ようやく届いたあたしの声は、梶野くんを振り返らせた。
あたしが走ってきたことに、彼はかなり驚いているようで。
「……どした?」
「あ、あの……梶野くんに言いたいことがあって」
もう止まらなくて、この気持ちを伝えずにはいられなかった。
「梶野くんが、好きです」