好きになったのは、一匹狼でした。



「梶野くん!梶野くん、待って!」



どうしても伝えなくちゃと思って、どうしても伝えたくて。


遠ざかる彼の背中を、無我夢中で追いかけた。




「梶野くん!待って!」



ようやく届いたあたしの声は、梶野くんを振り返らせた。


あたしが走ってきたことに、彼はかなり驚いているようで。




「……どした?」


「あ、あの……梶野くんに言いたいことがあって」



もう止まらなくて、この気持ちを伝えずにはいられなかった。







「梶野くんが、好きです」






< 108 / 225 >

この作品をシェア

pagetop