好きになったのは、一匹狼でした。
「ご、ごめんなさいぃ!」
頭が真っ白になったあたしは、ただ謝罪の言葉しか出てこなくて。
それだけ叫ぶと、逃げるように教室を飛び出した。
後ろでモモちゃんが「若菜!」と呼んだ気がしたけど、
走って走って、人がいないようなところまで逃げた。
「もう、無理ぃ……」
もう梶野くんの顔が見られない。
前みたいに梶野くんと話すなんて、考えられなくなってしまった。
好きなのに。
あたし、どうしたらいいんだろう。