好きになったのは、一匹狼でした。
彼を崇拝する人
誰もいない教室で、窓の外から彼を眺めていた。
梶野くんはいつものように、決まった場所でごろんと横になっている。
中庭の一番右端にあるベンチの上。
そこが、いつもの彼の定位置だ。
「はぁ、梶野くん……かっこいいな」
あれからもう1週間たった。
でも、相変わらず何の接点も持てないまま、ただ時間だけが過ぎている。
やっぱり、告白なんてしなければよかったかな。
「そうだよねぇ、梶野くんってかっこいいよね」