好きになったのは、一匹狼でした。
「俺、梶野くんと仲良くなるどころか、嫌われたかも」
あたしから一歩ずつ離れていく内山くんが
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で呟いた。
「じゃ、じゃあね。村田さん。これ以上一緒にいたら、俺、殺されそうだし、そろそろ行くよ」
「う、うん?じゃ、じゃあ、ね?」
何故か苦笑いを浮かべながら……
というより、若干ビクビクしている様子の内山くん。
そして、梶野くんから逃げるようにして教室を出ていった。