好きになったのは、一匹狼でした。



シュンと、梶野くんの少し後ろを歩いていると、

突然、彼の足が止まってこちらを振り返った。



「ふっ、何してんの」


顔を上げると、優しく笑った彼の姿があった。




「まぁ、抱きつかれるのはあれだけど。こっちだったらいい」


そして、そっと手が差し出された。



こっち……?


こっちって、手のこと……?






< 224 / 225 >

この作品をシェア

pagetop