好きになったのは、一匹狼でした。



「この本な、図書室に返してきてほしんだけど」


「え?」


「じゃあ、これから部活行かないといけないから、よろしく」



現代文を担当する鍋谷先生。


確か、今日の授業で先生の大好きな作家の本を見せながら紹介してたっけ。


それで、その本をあたしに返して来いと……




「村田一人で持てるかなぁ」



だったら、持たせないでください。


先生は心配してるのか、してないのか。


にこやかに、あたしにどんどん本を持たせていく。






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