好きになったのは、一匹狼でした。
「モモちゃん、そんなに近づいたら気付かれちゃうよ」
「大丈夫よ。分かりゃしないって」
ゲーセンの中に入った梶野くんたちを、入口付近からこっそり覗くあたしたち。
まるで、重要参考人を尾行している刑事になったみたい。
こんな分かりやすく尾行する刑事なんていないと思うけど。
「……なんか、ゲームしてるね」
「梶野くん、楽しそう」
学校ではなかなか見られない梶野くんの姿。
友達とはしゃいでいる姿なんて、初めて見た。