好きになったのは、一匹狼でした。



「知ってます知ってます!梶野くんでしょ!」


「……そんな勢いよく言わなくても」



梶野くんの前で、しかも梶野くんの名前を噛んでしまったことが恥ずかしくて。


つい、声を張り上げてしまったのだ。




「それで?何してんの?」



恥ずかしさを紛らわすために、黙々と仕事を進めていると、


いつの間にか隣に梶野くんがいた。


なぜか真剣にあたしがビラを外しているのを見ている。






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