Only One──君は特別な人──
「何、泣いてるんだよ?」

「だって…。今までつき合ってきた彼氏にはそんなこと言ってくれる人なんていなかったし。
あたしが将来的な話をして『うざい』って振られたこともあるし」

「元カレとオレを一緒にするなよ。てか元カレのこと思い出したりするなよ。
すげームカつく」

「あっ…。ごめん」


ついつい、過去の恋愛話をしてしまった。


「つき合い始めて浮かれてこいうこと言ってるわけじゃないから」

「うん」

「それぐらい本気だから」


そう言って、貴広はあたしをぎゅっと抱きしめてくれた。


嬉しい嬉しいよ。

貴広があたしと将来的なことを考えてくれてるなんて。

竜くんとだったら絶対に望めない未来がここにはあるんだね。


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