Only One──君は特別な人──

はぁ…と、ため息をついていると、貴広が笑顔であたしのことを見ていた。


「もえって拗ねた顔も可愛いな」

「へっ？」

「さっきの上目遣いも可愛いかったけどな。
オレのこと誘ってたよな？」

「……」


途端に恥ずかしさが込み上げてきて、何も言葉にならない。

あたしの精いっぱいの上目遣い、気付いてたなんて。


「でも、あの上目遣いは可愛いというより、エロかったかな。
知らん顔したらどんな反応するかなって試してみたら、すぐに拗ねてたし」

「試したの？　性格悪いんだから」

「上目遣い、もう一回してよ」

「む…無理だよ！　出来ない！」


貴広って意外にドＳなの？