続・るーむしぇあ。
* * * * *
「で、あの人は誰なの?」
楽しく並んで料理をする予定だったキッチンで、お湯を沸かしながら小声で問い詰められている私。
私を姫と呼ぶあの人は、「姫にお茶をいれて頂くなんてとんでもない」と大騒ぎしたが、しばらくの説得の末に渋々リビングに座っている。
「あの人は、樋口(ひぐち)さんって名前で、説明するのが難しいんだけど……パパの秘書をしてくれてた人で……」
「秘書というよりも執事と呼んで頂いた方がしっくりくるかと」
「そう、執事さんって感じで……って樋口さんいつの間に」
声が聞こえて振り返ると、リビングから興味深々の様子で樋口さんが覗き込んでいた。