続・るーむしぇあ。
長身で、爽やか、スマートな身のこなし。

樋口さんは客観的に見て、"カッコイイ大人の男"だと思う。


彼は私が小学生だった頃にうちへやってきて、パパの仕事の手伝いから私の世話まで何でもやってくれる執事さんのような存在だった。

パパの会社が倒産してから、ずっと連絡も取っていなかった彼が今どうしてここにいるのか……。


「姫、そろそろ説明して頂けないでしょうか」


「その前に"姫"をやめて欲しいんだけど……」


私の言葉に彼は欧米人のようなオーバーリアクションで首を横に振る。


「我が姫に対して姫と呼ばずになんと呼べば良いのです!!」


……忘れてた。この人、私のことになると周りが見えなくなっちゃうんだった。
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