目が覚めたら異世界でした
迷いの姫

異世界トリップってやつですか




今日は最悪な1日だ。

目が覚めたときは朝の8時15分
家を出る時間はとっくにすぎていた
昨日はちゃんとアラームをかけておいたはずなんだけど
時計は昨日の夜中3時に止まっていた
どうやら電池がなくなったらしい

しかもいつものバスは一時間一回しかこないから
見事に一時間目は遅刻

やっと学校についた!と思ったら今度はお弁当忘れるし
仕方なく購買でなんか買おうと並んでたんだけど
アタシの番が来たときにはもう売り切れてた
友達におすそわけしてもらおうとおもって教室にはいったとたん
昼休みのおわりのチャイムが鳴ったんだ。

そして腹をすかせたまま五時間目突入。
まあその後学校ではなんもなかったわけで安心して帰れたんだけど
またまたバスにのりおくれちゃって只今徒歩で帰ってる最中。

「厄介な日だ・・・・」

もし時計が壊れてなくてアタシがちゃんと起きれたとしたら
きっとこうにはならなかったのかな、と考えてみたり

みんなにはちゃんと起こしてくれるお母さんがいるんだろうけど
私にはいない。
お母さんは私がまだ幼い頃病気にかかって亡くなったらしい。
正直お母さんの顔も声も覚えてなかったりする。

お母さんが死んだ後はお父さんと二人で暮らしてたわけなんだけども
一年前お父さんは車と車が衝突して事故で死んでしまった。
祖父母はもう他界してるし、親戚と呼べる人は一人もいなかった。
だからお父さんの葬式にはあたしとお父さんの友達家族数名という悲しい葬式になった。
お父さんの親友のおじさんが引き取ろうかといってくれたんだけれども
おじさんの奥さん、つまりおばさんが猛反対したらしくて
引き取ってもらえず今は一人アパートで暮らしている。

(お父さん寂しかったんだろうな・・・・)

気がつけば私は横断歩道の前に立っていた。
信号が青にかわって一歩踏み出そうとしたんだけどどうも踏み出す勇気がなかった。
私のうしろや横にいたサラリーマンや中高生の背中を見送って
全員わたったのを確認すると、再び私もあるきだす。

横断歩道の真ん中辺りまで来た時、何か嫌な予感がして
パッと横を見てみる。
そこには信号無視をした車が、私の方に向かって走ってくるのがみえたんだ。
運転手は気づいてないらしく、呑気に車を走らせてる。
横断歩道を渡りきった人々が私をみて驚いているのは見えなくとも想像できた。

"早く逃げなきゃ"
そう思い急いで逃げようとするんだけれど、
恐怖のあまりどうも足が言うことを聞いてくれない。

「お願い動いてッ・・・・」

今にも泣き出しそうな声でお願いをしてみるけど
足がはいわかりましたっていって動いてくれるはずがない。
車はもう寸前まできている、やばい、すっごいやばい

「ーーーーーッ!!!!!」


車の急ブレーキ音と、私の悲鳴が重なって
私はそのまま意識を手放した。
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