あの日の恋を、もう一度
『河合、落合【おちあい】カップルゲット!』
二人で一緒にいるところを撮られ、『卒業アルバム制作委員!絶対写真載せるから』と言われてそのまま載せられた、というくだりだ。
あの頃の私は、本当にガキで。
何も知らない、ガキ。
そんな私を彼はどうして選んでくれたのか分からない。
いまだに不思議だから。
でも、本当に懐かしい。
本当に、彼を見ればそう思う。
―――今でも思い出す、あの日のことを。
『ごめんね』
『…何でだよ、絢芽…』
『…学校が違えばきっと、自然消滅になる。なら、お互いに一から始めよう?』
『…っ』
そんなのは嘘。
同じ高校を受験して、彼だけが受かって。
…絶対に受かると、信じていた。
なのに、私に突き付けられた現実は、私が望んだものじゃなくって。
私は信じることができなかった。
あの頃はまだ幼すぎて、私の変なプライドが邪魔をしたんだ。
だから、あんなに好きだったのに別れてしまった。
後から聞いた話、彼には入学した高校で彼女ができたと聞いた。