あの日の恋を、もう一度
「…返しに行こう」
何年借りてたんだろう。
まあ、仕方ないってことにしてもらおう。
そう思いつつ、私はスキニーパンツにニット、ミリタリーコートというラフな格好をして、彼…いや、知世ちゃんの家に向かった。
ピンポン、と。
インターホンを鳴らす。
「はい…?」
中から出てきたのは、
「お久しぶりです。こんにちは」
河合と、知世ちゃんのお母さん。
相変わらず、とても小綺麗なお母さんだ。
変わっていない。
一瞬『誰?』という顔をしていた。
けれども。