八神 零
バイク
「つーか、どーやって行くワケ?」
夜道を並んで歩きながら、エイトは道も知らねーし、と呟いた。
エイトは普段事務所の車を利用している。
けど、呼びにくいんだろうな。
仕事を止めていることになっているから。
「ちょっと待ってて」
俺が無邪気に笑って言うと、エイトはフッと笑った。
「…なんか昔のお前みたいだったワ、今の」
「…そ?」
待ってて、と言ったにも関わらず後を付いて来たのは無視して。
俺はあるモノが来るのを待つ。