八神 零
エイトを個室に残し、一人カウンターに向かう。
あの女が俺に気づきまた睨み付けてくる。
…なかなか。
俺の気配をなかなか早く察知した女に関心したが、関わらないでおこう…。
「マスター、何かヴィンテージないの?」
持っていたボトルをカウンターに置き、訪ねるとバーテンダーは表情を変えずに頭を下げた。
「…いくつかあります。…酸味がある方がお好きですか?」
「うーん…マスターのオススメで良いよ。何にしても、コレよりはましでしょ」
トンとボトルを弾くとそうですね、と静かにボトルを下げた。