八神 零


「待って!八神君!」

「…何?」



服の裾を掴むと、ピタリと足を止めてゆっくり振り向いた。



「…いや、あの、八神君が助けたつもりじゃなくても、助かったから…ありがとう」

「ああ、うん。分かったから、離して」



嫌そうに顔を歪めた八神に女はパッと手を離した。


「ごめっ…!」

「細井(ホソイ)さあ、馴れ馴れしいってよく言われない?」



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