八神 零


言った瞬間、ギロリと冷たい目で睨まれた。

その刹那、全身に恐怖が走る。



「…あのさあ…俺のせいにすんのやめてくんね?」



座っている八神は見上げるようにして細井を睨み付ける。

細井は恐怖で身体を動けなくしていた。



「人のせいにすんな。楽になろうとすんな…逃げんな」




低い低い声で囁くように言われた。

それが静かな旧校舎では、妙に響いた。



細井はカタカタと身体を揺らす。



< 54 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop