八神 零


八神は短く返す。


「八神、君。デート、出来そうにない…かも」

「デート?…あぁ、今朝の…。構わねーよ?」



ケラケラ笑って八神は一歩下がった。

細井もクスリ、と笑った。


「…あのね、私ね、もう、行けない」


笑いながら、細井は静かに話し出した。

動かす度に激痛が走るが、今の細井にはそんなことでは止まらなかった。



「…行けない?」

「うん、行けない…学校に」


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