八神 零
取り出した白いナイフを俺に向け、走ってくる。
それを、冷ややかに見つめていた。
俺には一秒一秒がコンマで区切られたように見えて。
エイトがこちらに来るまで欠伸が出るほどだった。
カンッ―……と、ナイフを上に蹴りあげ、上がったナイフを左手で掴む。
「なっ、に…?」
普通の人間より少し特化した運動能力を持つエイトは驚き固まった。
クルクルとナイフを回した後、ピタッとエイトの首筋につけた。
「二度と、俺を呼ぶな」
少しナイフを押し付けると白い刃先に赤い血が伝う。
青い顔でゆっくり頷いたエイトを確認後、俺はナイフを下に投げた。
「っぐぅ、ぁぁああああ゛あ゛!!!」
ナイフは垂直にエイトの足に刺さった。
制服姿のエイトのローファーの茶色い皮が赤黒く染まっていった。
「て、てめ…」
「俺のことは八神零って呼んで、ね?」