八神 零
「…いや…エイトは今誰とも話したがらねぇ。昔馴染みのお前なら大丈夫かと思ってよ」
「俺が脅したんですけどね」
「……」
軽い口調で言えば、口を結び、溢れる殺気に俺は肩をすくめた。
「分かりましたよ、俺が責任取ります。エイトは何とかしましょう」
「…あぁ」
「因みに、一つ忠告しときますね」
俺はシズヤの前に人指し指を見せながら笑った。
「…何だ」
「殺し屋は人を殺す。…だから、殺し屋はいつ殺されても可笑しくない」
人を殺すのが殺し屋ならば。
殺し屋を殺すのは……………人、だから。
ニッコリと笑顔を向けて会釈し、俺は事務所を出る。
エイトのマンションへと向かうべく、廊下を歩いた。