八神 零
マンション
エイトとは5年前、廃墟で出会った。
産まれた時から殺し屋としての修業を受けていたエイトの、初の殺しだった、とか。
激しい物音につられて廃墟に入ると2つの死体と立ち尽くす少年……エイト。
音の在りかはエイトが手にしていた拳銃だと悟り、俺は笑ったのを覚えてる。
何で、サイレンサーじゃないんだ、と。
興奮していたエイトを宥めると、何故か事務所に来てくれ、と言われて。
ホイホイ付いて行けば、殺し屋だったって訳。
勿論、殺しの手伝いなんかしていない。
俺が手を下したら詰まらないから。
ただ……エイトを見ていた。
自分に恐怖しながら人を殺めるエイトは美しかった。