シャッターチャンス


学校について門の前に立つと、一つだけ深呼吸をしてクラス発表が張り出されたグラウンドに向かった。

大きなグラウンドの片隅に出された掲示板で、自分のクラスと教室の場所を確認すると、自分と同じ新入生の波を縫った。

元々この学校には、友人と呼べる人間は誰一人いない。
同じ中学から進学してきた生徒も何人かいたらしいが、まったく興味はなく行動を共にする気もなかった。
群れる気もなければ、自分から媚びて友人を作る気もない。




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