シャッターチャンス
夏希はすこしミーハー気質だから、きっと興味を持つことは分かっていた。
そう、彼女はきっとほとんどの人が「かっこいい」という言葉に当てはめるんだ。
初めて視界に捉えた時から思っていた。
『正面から、顔が見てみたい』
きっと私は委縮してしまうだろう。
見なくても分かっていた。
きっと強く光を宿した意志の強い瞳に見つめられれば、私は言葉も出なくなるんだ。
それでも、あの大きなビー玉みたいな瞳に私を映して欲しかった。
ただ真っ直ぐに、私を見て欲しかった。
今度はカメラ越しじゃなく、あの瞳で―。