生徒会室まで来なさい。


「うおおおおおおおおいい!!!!!」


私は思わず叫んだ。
体育館に集まった生徒たちが一瞬静まり返り、またすぐにわっと騒ぐ。


「何いまの声!マジうけんだけど誰!?」

「ステージの脇から聞こえたぞ!!」


全校生徒がゲラゲラと笑っている。
ステージ脇からでは様子は見えないが、かなり盛り上がっている。


「ちょっと村越さん、声でかい」


村人B・岡田さんが戻ってくるなりそう言う。


「だってだって!あんた達ひどすぎるよ!詐欺じゃん!」

「まあまあ、もうここまで来たら演説くらいはするしかないよ」

「そうそう、もしかしたら不信任で再々選挙になるかもしれないし」

「うんうん、とりあえずみんな待ってるから、ぱぱっと演説しちゃってよ」

「ムラムラ、ごめんねごめんね!」

「だからムラムラって呼ぶなって!!」



ああ、もう、本当に、どうしてこんなことに…。



そうして今。

私は全校生徒の前で、体育館のステージ上にひとりで立たされていた。

< 15 / 48 >

この作品をシェア

pagetop