生徒会室まで来なさい。
気を取り直して、私はもう一度マイクに向かって口を開く。
「えと、みなさん、こんにちは」
一部の人たちが「こんにちはー」と返してくれる。
だが、大多数はやはり興味なさそうにこちらを見ている。
そりゃそうだよ、私だって生徒会立候補者の演説なんてこれまで興味なかったもん。
「すみません、私、今ここでこうして立ってますけど、えっと…」
私は意を決して言う。
「あの、私、生徒会とかやる気ないんです」
発言した瞬間、体育館がどよめく。
言ってやった…
言ってやった!!
ステージ袖を見ると、選挙管理委員の4人が口をあんぐりと開けていた。
でも私は、この発言をやめない。
そもそも私のことをハメたあんた達が悪いんだから!
全然罪悪感なんて無い!皆無!!
全校生徒のどよめきが収まらない内に、私は演説を続ける。
「ですから、みなさん、投票用紙の私の名前の上には『×』印をつけてください!」