生徒会室まで来なさい。
二年五組のドアを開けると、瀧澤の周りには人だかりができていた。
「瀧澤くん、当選おめでとう!」
「オレもお前に投票したんだからな!」
「バカお前、立候補者一人しか居なかったんだから投票も何もねーだろ」
わいわいと盛り上がる中で、瀧澤の声が響く。
「信任投票とはいえ、大事な一票だよ。
みんなが丸印を書いてくれなかったら、僕は一人で立候補して一人で落選していたかもしれないんだから」
「クゥーッさすが生徒会長、謙虚だねぇ~!」
あははは、と明るい笑い声がする。
「生徒会長かぁ…って、きゃあ!?」
ひとりごちたところで、突然後ろから誰かにくすぐられる。
「さ~な~え~、あんた本当は生徒会やりたいんじゃないのぉ~?」
「ちょっ、やめてよ亜紀!やめてってばぁ!」
不意討ちをついてきた亜紀は、私の言葉を無視して脇腹をくすぐり続ける。