初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
最初に会った時とは打って変わって
彼の優しい声にあたしは思わずうなずいた



病院の裏側に林があって
そこに木々で出来たトンネルがあった



暗闇の中
前を歩く彼の背中だけがはっきりと見えた




懐中電気を持った彼が立ち止まる




トンネルを抜けると
小高い丘にたどり着いた



空を見上げると
満点の星空



「すっごい!!」
思わず声が出た




ふっと彼が笑ったような気がした


なんとなく恥ずかしくなってしまった・・・・





月明かりも外灯のない暗闇のはずなのに
星たちの明かりがあたしの周りを照らしてるようだった



「ここからの星空が1番好きなんだ」



彼はそういって腰を下ろした



あたしも・・・・・
少し離れて座った


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