初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
まもるさんは仕事が終わって迎えに来てくれた


夕方から出かけるなんて
おばあちゃんが心配してたけど・・・・

病院で知り合った女の人だ!!って嘘ついて出てきた


ちょっと罪悪感



田舎だもん
どこで繋がってるか分かんないし・・・
男の人とってのが
ちょっと恥ずかしかった




コンビニでいろいろ買い込んで
あたし達は『願いの丘』に来ていた





とりあえずビールで乾杯


もちろんノンアルコールよ!



「退院、おめでとう!」
「ありがとうございます!」



隣に座るまもるさんを意識しすぎて
思うように言葉が出ない



無口な子って思われないかな?
つまらないって思われないかな?


意識すればするほど
何をしゃべっていいか分からなくなる


するとまもるさんが照れながらいった
「緊張するね」



え?
「まもるさんも?」



「そりゃするよ!本物のビール飲みたい気分」
まもるさんは笑って空を見上げた





あたしはちょっとだけ緊張がとけた感じがした
同じ気持ちが嬉しかった・・・







デートが初めてなわけではない



でも
好きな人との『初めて』はいつも緊張する


それはいくつになっても
もっともっと大人になっても変わらない


人を好きになるって
そういうものよね


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