初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
胸騒ぎ
徐々に暗くなる空
川原は花火を見る人たちで賑わっていた



花火を見るふりをして
少しだけ視線をずらし
隣にいるまもるさんを盗み見した




『来年も一緒に花火を見たい』
イマイチ勇気が出なくて
言葉を飲み込んでしまった・・・





好きだな
あたし


本当に
本当に…



まもるさんが好きだな



まもるさんは
あたしのことどう思ってるの?



確かめたいけど
怖い


確かめて
もし…


あたしとは違う気持ちだったら



それならあたしは
このままでいいよ




まもるさんが
一緒にいてくれるなら



このままでいい



手を繋いだ二人の間に
七色の大きな花火が上がった














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