初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
「ただいまぁ」


家に帰るとお母さんが夕食の準備をしていた


内緒にしようかとも思ったけど
「お母さん、あたしリストラにあったよ」

とりあえず報告した

どうせすぐにばれちゃうし・・・・ね




「あら、ちょうど良かった♪」


は!?
娘がリストラにあって
良かったですと!?



お母さんは
そのまま言葉を続ける
「優香、長野のおばあちゃん覚えてる?」



長野のおばあちゃん

あぁ
子供のころ
夏休みはおばあちゃん家で過ごしてたなぁ



数年前におじいちゃんが亡くなって
今は一人暮らしだったような



「腰を痛めちゃってね、1人じゃ何かと不便らしくて」




懐かしい長野の風景が・・・・・
蘇って来ない・・・・


記憶が昔過ぎる!!


なんとなくしか
記憶が甦らない





「優香、仕事辞めたなら行ってきてくれない?」



お父さんもお母さんも仕事がある



無職なのはあたしだけ・・・・




でも
まいっか♪


久しぶりにおばあちゃんにも会いたいし!!





そんな訳で
無職になったあたしは
長野に向かうことになった



そしてこの夏
どんなことが待っているのか
今のあたしには想像もつかなかった


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