初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
最後の願い
ひとしきり泣いた後
2人で・・・・
無言で病室を後にした



病室を出るとき
何度も何度も振り返り
まもるさんが声をかけてくれることを期待した



でも
あたしの耳には機械の音しか聞こえなかった







中庭を出て
空を見上げると満月だった



ふと
まもるさんが言ったことを思い出し
立ち止まった
「優香?」



先に歩いてたさとるが
戻ってくる




「・・・無理・・・・やっぱり無理だよ!!」
あたしは駆け出していた



病室のまもるさんのとこではなく

2人の思い出の場所『願いの丘』に





「優香!ちょっと待てよ!」
後ろでさとるの声が聞こえた




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